5/27発売『まちの風景をつくる学校』を読みました。
徳島県神山町(佐田町と同じような中山間地域)にある分校を舞台に、高校と地域による持続的な地方創生に取り組んだ物語です。
この神山町、地方×教育の分野で大変に興味深い「神山まるごと高専(仮称)」も来年度から開校し、これからも注目していきたい地域です。
いま、本を読み終えて、自分なりに大切だと感じたところをピックアップしておきます。
まずは1点目。
実現したい未来に向けて現実とのギャップを埋めていく。(中略)たしかに理想を描くことは大切です。けれども理想を描くための議論や合意形成に時間をかけすぎたり、実行者のいない計画を立てたりして、現実の物事が進まないようでは元も子もありません。 P265 5.試みから生えてきたもの より
理想を考えることばかりになって、足元のことが疎かにならないように。思うようにいかず苦しいときでも、一歩ずつ積み重ねていくしかないんだなあと改めて実感。 社会課題の解決をうたっていると、理想が大きく実行が小さくなる気がするので自分への戒めを込めて。
続いて2点目。
もう1つはクラス替えが発生することです。小規模校には、1人ひとりの個性が見えやすく細やかなサポートが行われやすいという利点がある一方、関係性が固定しやすい欠点もあります。(中略)クラス替えが発生することで、関係性が混ざり合う状況をつくれるのは、小規模校にとって大きな利点でした。 P125 3.試みを可能にする試み より
クラス替えの効果については、別の本でも語られていました。前職の予備校でも(成績順で)クラス替えが行われていましたが、固定化を防ぐために人数を均等にするのではなく、上クラスの人数を多くしたり少なくしたりと、意図的に不安定にしていました。
対して今の佐田中は中1のときに2つの小学校の生徒が混ざりますが、それ以外はクラス替えもなく進級していきます。この関係性をいい意味で「崩す」「かき混ぜる」ことをしていきたい。そしてそれは、塾だからこそ提供できる価値になると考えます。
近隣には1学年1クラスの中学校がいくつかあります。来年度以降で考えていた、佐田町外から生徒を呼び込む施策を今年度から始めたいと思います。
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